佐賀県ガイド

佐賀のムツゴロウに会いたい

 有明海の干潟に棲むムツゴロウは、日本では有明海と八潮海(不知火海)にのみ生息するハゼ科の魚です。干潟の泥の中に潜むムツゴロウは生体で15センチ~20センチくらいの大きさ。頭頂部に飛び出した目があり、ひれを手のように使って上半身を起すしぐさはとてもキュートです。夜の間は巣穴の中に隠れて寝ているのですが、昼の干潮時に姿をあらわします。ひれを使って、まるで歩くように移動したり、ぴょんぴょん飛び上がって移動します。ムツゴロウ漁は、初夏がメイン。この時期は求愛と産卵の季節で、ムツゴロウも活発に動き回るからです。この時期のムツゴロウのオスは、ジャンプして求愛するので、10センチ以上の見事なジャンプを披露するムツゴロウもいます。ムツゴロウ漁は、むつかけという、潟スキーを使った方法が使われてきました。このむつかけ漁は、後継者不足とムツゴロウの減少で一時期衰退の危機にありましたが、干潟が見直され、ムツゴロウ漁にも保存の動きがでてきました。今は道の駅、鹿島(鹿島市七浦)で、プロのむつかけ師がインストラクターになって、むつかけを体験することができます。
 ムツゴロウは年々減少していて、今はレッドリストの絶滅危惧IB類(EN)に指定されています。どのくらい危険な状態かというと、もうワンランク上になると、絶滅寸前になるくらいのレベルです。なぜムツゴロウが減ってきているかというと、そもそもムツゴロウが住める干潟が減少してきているからです。そして干潟が減ってしまった最大の理由は、人間の手により干拓事業なのです。干潟が消え去ってしまった今、昔のようにというわけには行きませんが、かわいいムツゴロウが元気に飛び回る姿が今後もなくならないようにがんばっています。

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